ダージリンについて知ろう!
こんにちは。ごきげんよう。
にゃー
本日は世界三大紅茶の1つ、ダージリンについてご紹介いたします。
ダージリン(地域)とは
ダージリンはインド北東部・西ベンガル州のヒマラヤ山麓に位置します。
ダージリンはチベット語で「雷の地」(ドルジェリン)が由来で、ネパールとブータンに挟まれたインド北東のヒマラヤ山麓のあります。
標高2000m以上の山々が入り組んだこの場所は、夏でも摂氏25度程度、冬は5~8度です。
6~9月に雨期に入り、一方で11~2月には雨が少なくなります。
ダージリンの収穫時期は3回あり、以下の通りです。
ファースト・フラッシュ
3月中旬~4月下旬、その年初めて収穫される一番茶となります。
茶葉は青みがかっており、水色は薄い黄金色で、緑茶のようなみずみずしさがあります。
ストレート向き。
セカンド・フラッシュ
5~6月に摘まれる二番茶です。水色は褐色。
ドラマ『相棒』season4第2話で以下のようなやり取りがあります。
「全然違います」
「どう違うんですか?」
「まず香りが違います」
「は?」
「そして、みずみずしい甘みと深いコク…」
「これこそマスカットフレーバーです」
「わかるのかい?」
「これがわからないようでは紅茶好きとは言えません!」
「いや、嬉しいなあ!」
「もう、紅茶の話っスかぁ」
「最高級のダージリンですよ」
「全然違うだろう?」
「え? あ、えっと…ああ…」
「僕はねぇ、ほとんど紅茶中毒でね」
「朝は濃いダージリン、夜はアッサムにミルクたっぷり!」
「欠かすと眠れない」
「そうそうそう!」
「百年の知己に出会ったみたいだよ。もう一杯どうかね?」
「恐れ入ります」
「俺もいいスか」
「君も?」
「あ…いいっス」
上記のセリフにあった「マスカットフレーバー」という言葉、紅茶なのに何でマスカットなのかなと小さい頃は思っていました。実際にマスカットのフレーバーティーもありますので余計に勘違いすることに。
ですが、ダージリンはマスカットの香り付けがしてあるわけではありません。さらには「マスカットフレーバー」とは呼ばないようです。
セカンドフラッシュでは「マスカテルフレーバー」と呼ばれるマスカットに似た香りや風味がするのです。
何故かというとウンカ(Green Fly)に嚙まれることで葉が黄色く変色し抗体のような物質(ファイトアレキシン)を分泌され、それがマスカテルフレーバーとなります。
ストレート向き。
オータムナル
10~11月頃の乾燥期に摘まれる秋摘み茶です。
茶葉は黒くなり、水色は赤味がかっています。
甘みがありバランスのいい味わいです。
こちらの紅茶も『相棒』の台詞で出てきました。
ストレート向き。
茶園
ダージリンの茶園は87あると言われています。ここではその中の一部をご紹介いたしますが、残念ながら詳細のわからない茶園もございます。
今回調べきれなかった茶園は逐次追加していけたらと思っております。
アッパーファグー
アンブーティア
創業:1861年
標高:950~1,450m
面積:349㏊
生産量(製品換算):年間150t
生産茶葉の種類:セカンド・フラッシュまでを紅茶、それ以降はスペシャリティ・ティー、緑茶など
ネパール語でマンゴー林を意味します。
比較的なだらかで高低差が少ない土地です。西北東向き。
中国交配種が多いですが、一部アッサム交配種とクローナル交配種が栽培されています。
ダージリンにある茶園の中ではいち早くオーガニック農法を導入しました。
マリアージュ・フレール様でご購入いただけます。
オカイティ
創業:1860年頃
標高:平均1,128m
面積:208㏊
生産量(製品換算):年間120t
生産茶葉の種類:主に紅茶、セカンド・フラッシュ以降は緑茶なども生産
英語のOKが名前の由来。創業当初は「ランドゥー」という名前でした。
エリザベス女王がここの紅茶を気に入り手紙を送ったこともあるそう。
東・南向きの斜面で主に中国交配種、一部アッサム交配種も栽培されています。
カレジバレー
キャッスルトン
創業:1865年
標高:平均1,450m程度
面積:170㏊
生産量(製品換算):年間50t
かつて茶園の中にあった建物が、遠目から見ると城のように見えたことが名前の由来となっています。
斜面は南と東、主に中国交配種を栽培していますが、標高の低い場所ではアッサム交配種やクローナル交配種もあります。
この茶園はダージリンの中で最も有名な茶園で、オークションで最高額の記録を何度も出しています。
TEA CLAN様・紅茶専門店ザ・ダージリン様・紅茶専門店リーフィー様などでご購入いただけます。
グームティー
創業:1860年頃
標高:平均1,450m程度
面積:130㏊
生産量(他茶園の製品換算分を含む):年間75t
生産茶葉の種類:主に紅茶、要望により緑茶も
ネパール語で道の曲がり角を意味した茶園で、茶園のほとんどが北向き斜面、一部南東向きです。
標高が高く斜面が北向きなので主に中国交配種を栽培しています。
敷地内には茶園を訪れた方が泊まれるホテルがあります。
ルピシア様・カメリアズティーハウス様などでご購入いただけます。
グレンバーン
ルピシア様などでご購入いただけます。
ゴパルダラ
標高:約2,000m程度
標高が高いため霧の多い地域。
ヒンドゥー教の神の子の名・ゴパルと清らかな泉・ダラを組み合わせた名前です。
紅茶専門店ウーフ様などでご購入いただけます。
サングマ
創業:1863年
標高:平均1,400m程度
面積:129㏊
生産量(製品換算分):年間65t
チベット語で大きなキノコがたくさん生えているところという意味の茶園です。
南・南西向きの斜面で多くは中国交配種、一部クローナル種が栽培されています。
ルピシア様などでご購入いただけます。
シンゲル
創業:1860年頃
標高:平均1,300m程度
面積:242㏊
生産量(製品換算):年間50t
生産茶葉の種類:主に紅茶、セカンドフラッシュ以降は緑茶も生産
シンゲルとはレプチャ語で「薪売り」という意味です。
キャッスルトン茶園の隣に位置し、南から西向きの斜面となっています。主に中国交配種を栽培しており、一部クローナル交配種もあります。
紅茶専門店ティーポンド様・シルバーポット様・GMT紅茶専門店様などでご購入いただけます。
ジュンパナ
創業:1899年
標高:平均1,150m程度
面積:73㏊
生産量(他茶園分も含んだ製品換算):年間75t
生産茶葉の種類:主に紅茶
坂の小道という名の茶園です。
主に南向きの斜面で、昼夜の気温差によって多く霧が発生するのが特徴です。
標高の低い地域に中国交配種、高い地域にアッサム交配種を栽培しています。
英国王室御用達でもあり、オークションで最高値を記録したこともあります。
コホラ様・ロンネフェルト様などでご購入いただけます。
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セリンボン
創業:1860年頃
標高:平均1,300m程度
面積:161㏊
生産量(製品換算分):年間70t
生産茶葉の種類:主に紅茶、一部緑茶、スペシャリティ・ティー。
南、南東向きの斜面で主に中国交配種が栽培されています。
バイオダイナミック製法と呼ばれる有機栽培方法が取り入られていることで有名です。
ルピシア様・紅茶専門店ザ・ダージリン様などでご購入いただけます。
タルザム
チャモン
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ティスタバレー
創業:1860年頃
標高:平均1,000m程度
面積:298㏊
生産量(製品換算):年間270t
茶園の名前の由来はティスタ川に沿った斜面に位置することからです。
多くが北向きの斜面で主に中国交配種、一部クローナル種、アッサム交配種が栽培されています。
トウクバー(プッタボン)
創業:1860年頃
標高:平均1,500m程度
面積:436㏊
生産量(製品換算):年間270t
生産茶葉の種類:主に紅茶、一部スペシャリティ・ティー、緑茶。
トウクバーとはレプチャ語でフック状の糸と釣り針を表します。この茶園は細長い地形なので、それが由来となっております。
この茶園はダージリンで最初に開拓された大規模茶園のひとつです。
東向き、北向きの斜面がほとんどで、標高差が大きいです。
標高1,000m以上の地域が多いため、主に中国交配種を栽培しています。
コンパスティーライフ&スタイル様・紅茶とスイーツのセレクティー様でご購入いただけます。
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トゥルボ
ナムリン・ナムリンアッパー
創業:1860年
標高:1,400m
面積:475㏊
生産量(製品換算):年間270t
生産茶葉の種類:主に紅茶
レプチュ語で「日当たりの良い場所」という名の通り、斜面の多くが南東向きです。
標高によって栽培する種が分けられており、中国交配種、クローナル種、アッサム交配種が栽培されています。
ナムリンアッパーはナムリンの中でも標高の高い場所を示します。
ルピシア様・コンパスティーライフ&スタイル様などでご購入いただけます。
バダンタム
創業:1860年頃
標高:300~2,100m
面積:321㏊
生産量(製品換算):年間170t
生産茶葉の種類:主に紅茶、一部スペシャリティ・ティー、緑煎茶。
茶園の名はかつて竹林が周辺にあったことから、レプチャ語で「竹林の土手」という由来になっています。
この茶園は一部は東向き、他地域は北向き斜面となっています。
茶園内での標高差が大きく、標高の高い地域では中国種とクローナル種を交配した耐寒性の高い種を、標高の低い地域では熱帯気候に強いアッサム交配種が主に栽培されています。
ロンネフェルト様でご購入いただけます。
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ハッピーバレー
創業:1854年
標高:平均2,000m程度
面積:110㏊
生産量(製品換算):年間32t
生産茶葉の種類:主に紅茶、一部スペシャリティ・ティー、緑茶。
この茶園はダージリン市街地に最も近く、オーナーが市街地に近いことは幸せなことだと言ったことから名づけられたと言われています。
平均2,000m程度と標高が高く、ほとんどが南西向きの斜面となっております。なので、この茶園では耐寒性能の高い中国交配種が育てられています。
マリアージュ・フレール様でご購入いただけます。
プーボン
創業:不明
標高:平均1,500m程度
面積:166㏊
生産量(製品換算):年間60t
生産茶葉の種類:紅茶
プー竹のある所という名の茶園。ほとんどが東と南の斜面です。好立地のおかげでファースト・フラッシュが早く摘むことができます。
茶問屋・冠城園様でご購入いただけます。過去にはルピシア様でも取り扱っていたようです。
プッシンビン
ルピシア様・紅茶&スイーツのセレクティー様などでご購入いただけます。
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マーガレッツホープ
創業:1862年
標高:平均1,400m程度
面積:380㏊
生産量(製品換算):年間380t
始めはバラリントンという名でしたが、オーナーの娘・マーガレットの他界がきっかけで変更されました。
この茶園は東南の斜面となっております。
高低差が約1,000mありますが、標高の高い地区が多いため耐寒性に優れた中国交配種が多く栽培されています。
ルピシア様・紅茶専門店ティーポンド様・ムジカティー様・TEA CLAN様などでご購入いただけます。
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マカイバリ
創業:1857年
標高:平均1,200m程度
面積:248㏊
生産量(製品換算):年間110t
ネパール語でトウモロコシ畑という意味の茶園。
東と西斜面があり主に中国交配種が栽培されています。
マカイバリジャパン様でご購入いただけます。
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マリボン
創業:1876年
標高:平均1,500m程度
面積:285㏊
生産量(製品換算):年間145t
生産茶葉の種類:紅茶
茶園は当初、「カイル」という名でしたが、同じダージリン東部にあるリンギア茶園の娘の結婚を祝って改名されました。
一部、北や西向きはあるものの主に東向き斜面となっております。
栽培は主に中国交配種です。
紅茶とスイーツのセレクティー様でご購入いただけます。
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ミリクトン
紅茶とスイーツのセレクティー様でご購入いただけます。
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リシーハット
創業:1860年頃
標高:平均1,300m程度
面積:253㏊
生産量(製品換算):年間110t
生産茶葉の種類:紅茶
ネパール語で「聖人の場所」という意味の茶園です。
ほとんどが東向きの斜面で残りは様々な方角となっております。
主に中国交配種が栽培され、低高度の地域だとアッサム交配種やクローナル種もあります。
この茶園は品種改良に力を入れていることでも有名です。
紅茶専門店・ティーポンド様・紅茶とスイーツのセレクティー様・ロンネフェルト様でご購入いただけます。
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リンギア
ゴールデンバレーと呼ばれる場所に位置します。主に中国種を栽培しています。
ロプチュー
創業:1860年頃
標高:平均1,350m程度
面積:95㏊
生産量(製品換算):年間75t
生産茶葉の種類:紅茶
レプチャ語で「道しるべの石」に由来するという説があるそうです。
主に北向き、一部東向きの斜面で多くが中国交配種、一部がアッサム交配種です。
ロプチューティーガーデン様でご購入いただけます。
ロングビュー
創業:1860年頃
標高:平均488m程度
面積:506㏊
生産量(製品換算):年間700t
生産茶葉の種類:紅茶
インドの広大な土地を見渡せることからこの名がつけられました。
標高が低く、気温が高いためアッサム種やアッサム・クローナル種が多く栽培されています。
茶葉のほとんどが大量消費用です。
最後に
今回はとても長いご紹介となってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
他の紅茶にはない魅力を持つダージリン。更に茶園ごとに異なる個性があり、飲んでいて楽しい紅茶なのではないでしょうか。
それではまたお会いしましょう。
にゃいにゃい
TWG・ニューヨークブレックファストを飲み切りました。次は何を開けようか迷います。 pic.twitter.com/7Bb5uVB4rZ
— ladyblack (@Ladyblack0100) 2023年4月5日